奈津子
奈津子
どうも、就活アドバイザーの奈津子です。
「ES(エントリーシート)って、どうやって書いたら良いのか、全く分からないよ…」
「志望動機って、何かけばいいの…?」

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まず始めるべきことは、自分に合った会社探し

出典:2014年8月20日付 日本経済新聞朝刊

それではさっそく志望動機からつくっていきましょう。上記の新聞記事をご覧ください。これは、2014年8月20日の日経新聞の朝刊です。
内容は、時価総額が1兆円を上回る会社が100社に回復し、これらの会社は海外需要の開拓で高成長を遂げている点で共通している、というものです。こういう記事は有望な会社を教えてくれますので、自分に合った企業の発見につながります。
>>関連記事:就活で勝つための、「適性検査」をご紹介。【やり方を詳細解説】

さて、ここでNTTドコモ(以下、ドコモ)に注目してみてください。ドコモというと、「カケホーダイ&パケあえる」という新戦略に打って出たのをご存じの方も多いかもしれません。ドコモはこの施策により加入者が急増し、赤字に転落してしまいました。このニュースは広く報道されましたので、あまりうまくいっていない会社というイメージもあると思います。
ところがこの記事を見ると、ドコモの時価総額は7 ・9兆円で、第4位。これに親会社であるNTT (時価総額7 ・7兆円)を加えると15・6兆円になり、第1位のトヨタ(20 ・5兆円)に次いで、第2位となります。
この点に注目すると、ドコモは「あまりうまくいっていない」どころか有望な会社と言えます。直近のよくないイメージにひっぱられ過ぎるのは拙速です。
しかし、今の大学生の中にはこうした表層的なイメージで会社選びをしている人がとても多く見られます。ドコモを狙う就活生は少なく、有望なのに競争率は低いのですから、狙い目の会社と言えるでしょう。
こんな風に考えて、まずは新聞記事から狙い目の会社、自分が深掘りしたい会社を探すところから始めてみてください。

 

企業研究は、どのようにすればよいのか

それでは、たとえば先のように考えて、「ドコモが狙い目だ。ドコモを調べよう」と目標を定めたら、具体的には何をすればよいのでしょうか。
まずおすすめしたいのが、ドコモのウェブサイトにあるIR (投資家向けの広報)ページです。どの会社でも、だいたいこのページで「アニュアル
レポート」と呼ばれるものを見ることができます。これは年次報告書とも呼ばれ、ディスクロージャー(情報公開)という観点から、企業が世界の株主や投資家、金融機関などの関係先へ向けて、経営内容についての総合的な情報を掲載した冊子を言います。毎年、年度末に発表されます。
法律で定められた決算短信や有価証券報告書と違い、企業の個性が見えやすく、企業のビジョン、社風、経営者の考え方、戦略、社員の状況、顧客の満足度など、財務諸表には出てこない「見えない資産」を把握することができます。
ただし、アニュアルレポートはページ数が多いので、しっかり読み込もうとするとたいへんです。したがつて、「すべて読む」というよりも、「ピンとくるところを探す」という意識で見てみてください。われわれには暗黙の知というものが備わっていますので、それに委ねて気楽に眺めてみましょう。
たとえば、「ネットワーク」のところにピンときたら、そこをきちんと読んでみてください。さらに興味を持ったなら、ドコモのネットワークに関する新聞記事を探しましょう。これは、紙の新聞のストックから探してもいいですし、もし電子版をとつていたら検索してすぐに見つけることができるので便利です。
ここで新聞記事と書きましたが、私は講演でもゼミでも、企業研究においては日経新間を強くおすすめしています。
1つ目の理由は単純に、日経が経済紙であるからです。就活で知りたいことはビジネスの情報がまず第一です。それならばビジネスに特化した媒体から探すのが効果的だと言えます。
2 つ目は、日経は記事の中で取り扱っている企業の数が、他紙に比べてはるかに多いからです。日経は1日に約400の企業を扱っていると言われます。いい志望動機をつくるには、まず適社を見つけることが欠かせません。そして自分に最も適している会社を探すためには当然、母数が大きければ大きいほど効果的です。限られた会社しか大きく扱っていない他紙よりも、経済の専門紙のほうが、適社探し、ひいては就活に最適と言えるのです。
次の新聞記事をご覧ください。これは、2014年7月6日付のドコモに関する日経記事です。

出典:2014年7月6日付 日本経済新聞朝刊

ドコモは、患者の画像データや診察結果を複数の病院で共有するクラウドサービスを開始しました。電子カルテシステムより安く、スマホで見ることができて、医師同士の協力や病院の垣根を越える連携も期待できます。具体的には、MRI (磁気共鳴画像検査)やCT (コンピューター断層撮影法)の診断結果をクラウド上に置き、簡単にスマホやパソコンに呼び出せるというものです。これによって、脳卒中のように専門医の対応が不可欠なものでも、外出中の専門医に問い合わせたり、外部の病院とやりとりして迅速に治療できるようになります。また日本語のほかに、英語、ポルトガル語版も用意して、国内外の連携までも視野に置いています。
これはすごいサービスですよね。情報共有が可能な医師や病院が増えることで、緊急の患者でも、即座に効果的な対応を受けられるようになります。
しかし、この記事を読んでいる就活生が何人いるでしょう?
ドコモが赤字だということは知っていても、この記事の内容を知っている人はほとんどいないと思います。とはいえ、もし、このニュースを知っていて、それに基づいて志望動機を書いたら、すばらしいものになると思いませんか?
なにより、このような時事情報を使って志望動機を書いていれば、「この人は本気だ」と思わせることができるでしょう。次の図をご覧ください。これは、上場企業・非上場企業で、採用担当者になぜ採用活動が厳しかったのか、理由を聞いたものです。

内定辞退の増加が、採用者を悩ませていることを示しています。
言い換えれば、採用者は内定を絶対辞退しないような、本気で志望している学生が欲しいということです。ならば、このような志望動機をつくることが内定への早道と言えるのではないでしょうか。
次におすすめしたいのが、同じくIRコーナーにある動画です。
先ほどお話ししたアニュアルレポートももちろん効果的なのですが、こちらは大量のページを読まなくてはなりません(残念なことですが、最近は読むことが苦手な学生の方が多いようです)。それに対して、映像を観る力は高まっているように思いますし、動画だと短い時間で重要な部分をつかむことができます。
こちらの使い方も、ピンときたものを掘り下げていくというスタンスで結構です。
たとえば2014年度の個人投資家向けIR説明会の動画を見ると、ドコモが翻訳会社を設立していることがわかります。この情報もほとんどの就活生が知らないでしょう。これに関連する記事を探してみます。

出典:2014年7月18日付日経MJ(右)、2014年9月30日付日経産業新聞(左)

ひとつは、2014年7月18日の日経MJの記事で、ドコモが香港のハチソン・テレコミュニケーションズに翻訳アプリを提供したというものです。英語や中国語、韓国語でスマホに話しかけると日本語に翻訳してくれます。もちろん逆も可能ということです。2地域間の旅行がさらに便利になるでしょう。
もうひとつは、2014年9月30日の日経産業新聞の記事です。こちらは、翻訳の技術開発の「みらい翻訳」という新会社を韓国シストラン・インターナショナル、さらに音声認識技術開発を手掛けるフュートレックとともに設立したという記事です。
今後、2020年の東京オリンピックの開催などで訪日観光客が増えることを見越し、翻訳のニーズが高まることへの対応です。この記事も志望動機づくりに最適だと思います。

 

企業情報から、最適な志望動機をつくるには

こうして集めた情報は、志望動機をつくる前にしっかりと整理して、どういう方針で自分のストーリーを描いていくかを見える化したいものです。それを可能にするのが上記の図のようなフォーマットです。
このフォーマットでは、まず集めた記事の要旨をまとめてポイントを抜き出し、それを一般的に言い換えます。そしてその一般化をもとに得られたキーワードから、自分だけが経験したエピソードを思い出すという流れです。
まずは要旨ですが、ふたつの記事から、

患者の画像データや診察結果を複数の病院で共有できるクラウドサービスを開始し、専門医の対応が不可欠な治療を素早く受けられるようにした。また2020年の東京オリンピックを契機に、世界レベルの翻訳精度を目指す「みらい翻訳」という新会社を設立した。

というものが考えられると思います。次に、ここからポイントを抜き出し、

  • クラウドサービスで専門医の対応が不可欠な治療が素早く受けられるように。
  • 東京オリンピックを契機に、世界レベルの翻訳精度を目指す新会社を設立。

とまとめました。ここまでは誰でもすぐできるでしょう。
さて、重要なのは次の「一般化」です。「専門医の対応が不可欠な治療」「世界レベルの翻訳精度を目指す」ということから、達成するのが困難なサービスや事業に〈チャレンジ〉していることがわかります。またチャレンジするだけでなく、「可能に」「新会社を設立」など、確実に〈実行〉していることがわかります。そこで、〈チャレンジ〉〈実行〉をキーワードにして、

新しい社会インフラの構築にチャレンジし、確実に実行していく。

としました。
これを活用すれば、「ドコモにはチャレンジ精神があり、実行力があるから」と簡潔に志望動機を答えることができます。このように自分の答えを頭括式にすると、面接官と″対話〃することができます。
たとえば、

Q 「弊社の志望動機をお話しください」
A 「はい。御社の新しい社会インフラの構築にチャレンジし、確実に実行していく姿勢に感銘を受けたからです」
Q 「今、チャレンジという言葉を使われましたが、具体的にどういうことですか?」
A 「はい。御社が患者の画像データや診察結果を複数の病院で共有できるクラウドサービスを開始されたことを新聞で読んだのですが、これにより、脳卒中のような専門医の対応が不可欠な治療でも、外出中の専門医や外部の病院とやりとりし素早く治療できるようになることを知って、すばらしい挑戦だと思ったからです」
Q 「では、確実に実行していく姿勢というのは、具体的には?」
A 「はい。香港のハチソン。テレコミュニケーションズに翻訳アプリを提供されたり、自動翻訳の技術開発の『みらい翻訳』という新会社を韓国シストランと設立され、2020年の東京オリンピックを見据え、世界レベルの翻訳精度を目指して行動されているところに実行力を感じたからです」

と、初めの答えから次の質問を誘発することができるのです。
後述しますが、面接は質問に的確に答えることで加点されますので、このように答えると面接に通過する可能性が飛躍的に高まります。

さらに、キーワードとして抜き出した〈チャレンジ〉と〈実行力〉を活用して、自己PRをつくることもできます。
ドコモの現状から〈チャレンジ〉と〈実行力〉が抜き出せるなら、これらがドコモの「ニーズ」だと言えます。後述しますが、チャレンジと実行力がニーズならば、それが自分にあることを証明すればいい。どうやって証明するかというと、自分自身のチャレンジしたエピソードと実行力があることを示すエピソードで、裏づけをすればいいのです。
自分にはチャレンジ精神があると言い張っても、その根拠がなければ面接官は納得できません。ですから、それを裏づける、あなただけのエピソードを話せばいいのです。このエピソードに納得がいけば、面接官はあなたにチャレンジ精神があると確信します。このあたりは、あとで実例とともに説明しましょう。

 

志望動機でチエツクされる、4つのポイント

それでは志望動機を書いていきますが、まずその際のチェックポイントを確認したいと思います。これは、長年企業で採用に関わった斎藤之幸さんが、『採用面接マニュアル』(すばる舎リンケージ)という書籍の中で、志望動機の尺度として挙げているものです。
1つ目は関心度。自社への関心の度合いが高いかどうかを判断します。業界や会社の志望理由などを聞かれますので、それを明確にしなければなりません。

次は認識度。商品の知識、仕事内容などを認識しているかどうか判断します。たとえば、「当社について知っていることをできるだけ述べてください」といつた質問です。商品やサービス、最近のビジネス事例などの新聞記事さえ読んでいれば簡単にクリアできます。
3つ目は目標・意欲です。目標ややりたいことが明確かどうかを判断します。よくあるのは、「10年後のあなたはどうなっていますか」という質問です。目標ややりたいことが明確でないと、10年後はなかなかイメージできません。つまり、この質問をすることで、あなたの本気度がわかるのです。

最後は動機の深さです。「将来性」や「伝統」といった履歴書の模範例レベルではない、深層の動機を判断します。これには、「当社の良い点、悪い点をあげてください」という質問がよく使われます。これも本気でないと答えられない質問です。とくに「悪い点」は、良い点も勘案して、何を答えるかを吟味しないと、ただ面接官の心証を悪くするだけで終わってしまいます。
これらのチェックポイントをすべてクリアした志望動機が、たとえば下記のようなものです。

御社は、患者の画像データや診察結果を複数の病院で共有できるクラウドサービスを開始されました。これにより、脳卒中のように専門医の対応が不可欠な病気でも、外出中の専門医や外部の病院とやりとりして迅速に対処できるようになりました。また日本語だけでなく、英語やポルトガル語版も用意して、国内外での連携を見据えていらっしゃいます。
また、香港のハチソン・テレコミュニケーションズに翻訳アプリを提供されたり、自動翻訳の技術開発の「みらい翻訳」という新会社を韓国シストランなどと設立され、2020年の東京オリンピックを契機に、世界レベルの翻訳精度を目指していらっしゃいます。【a】
これらから、つねにグローバルな視点で挑戦し、確実に実行していらっしゃる御社の姿勢に感銘を受けました。【b】
一方私も、学生時代には自分に壁をつくらず、他大学の研究室に参加したり、独力で海外インターンを経験したりしました。【c】
これらの経験を生かし、チャレンジ精神と実行力の御社で、世界中の人々の生活に浸透する新しい商品・サービス・ビジネスを創りたいと思います。
そして、御社が世界でいちばん必要とされる企業になることに貢献したいと考え、志望いたしました。【d】

まず【a】の部分をご覧ください。ここは新聞から集めた情報をもとにしました。
新しいクラウドサービスや新会社の話で、認識の深さをアピールすることができます。
またネットワークや技術の話も盛り込んでいるので、関心の高さも見せることができるでしょう。
次に【b】では、【a】の情報とあわせて、会社への志望動機を述べています。発展する通信業界にあって、チャレンジと実行力を発揮して、その存在感を高めようとしているドコモを的確に評価しています。
【c】は、【a】【b】に対して、自分のことを表現しています。志望動機は適社が主語ですが、それをほめたたえればいいわけではありません。【a】【b】で述べたドコモヘの見解に対して、【c】で自分がそれに「適する」ということを述べなければなりません。つまり、自分の適性に対してドコモは合うということ、ドコモは自分の適社なのだということを主張しているのです。
よく志望動機に、「?がやりたいから」とか「?が好きだから」と書く人がいますが、前者は「やりたいこと」に書くべきことですから×、後者は好社だと言っているにすぎないから×です。志望動機には、その会社と自分の関係が最適だと書かなければなりません。ですから、【a】【b】対【c】は、上記のような構造、配分にするのがベストだと思います。
【d】は、日標。意欲、そして動機が深いことをアピールしています。いきなり「やりたい」と述べるのではなく、動機を明確にしたうえで目標を掲げ、それを達成したいと意欲を述べています。この部分が「やりたいこと」とリンクして、そちらで具体的に表現されることになります。